お久しぶりですが皆様いかがお過ごしでしょうか?
ロンドンは少しずつ暖かくなってきて桜も咲いています。
そんな春日和にミュージカルライオンキングを見てきました!ので、拙いながら思ったことを書き出そうというわけです。
飛ばしながらでも適当に読んでください。
ちなみにイギリス人の彼と行きました、Pくんと呼ぶことにします。
![](https://static.wixstatic.com/media/417801_3b10faabd8384515ac5d750a7ff80777~mv2.png/v1/fill/w_980,h_1307,al_c,q_90,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/417801_3b10faabd8384515ac5d750a7ff80777~mv2.png)
今回、初めて劇場のBox Office(劇場にあるチケット売るとこ)でチケットを買いました。
いつもはTodayTixというアプリで安くチケットを買ったりしてます。
2時半開演の公演を狙っていて、1時ぐらいになると普段かなりするチケットが安くなっていました。が、なんと公演30分前になると購入不可になるようで、駆け込むようにBox Officeへ向かいました。
するとstall(1階席)のど真ん中を45ポンドでゲット(日本円約8500円)。普段だとプラス100ポンド(19000円)ぐらいするようなのでかなりお得でした。
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ちなみにtシャツもインターバルの時に買ってしまい、30ポンドも消えました。Pくんはoverpricedと言っていましたが、、。
私は大のライオンキングファンであり、小学校低学年の頃DVDとナラシンバのぬいぐるみをクリスマスプレゼントでもらって以来何度もDVDを見返しました。
むかーしに劇団四季バージョンを見たのですが、ほぼ記憶がありません。
故に超ワクワクで見ました。
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カラフルな衣装、ライティング、セットはシンプルだけど優れたデザインで美し〜と見惚れました。
I just can't wait to be king, One by one, He lives in you repriseでは、プライドランドから抜け出して、コンテンポラリー/モダンもしくは人間界に近い世界に踏み込んでいたのが良かった。
アースカラーをベースとした動物のパペットや草原などを模した衣装から一転、カラフルなアフリカントライブの伝統的な柄や模様の衣装になり、アフリカの人間社会を映し出していました。
のちに紹介する論文にもありますが、単なる動物物語に終わらず、ちゃんとアフリカの文化、言語、人種的メッセージなど、社会問題提起にもつながる要素がちゃんとある。
これが演劇のあるべき姿だと感じます。
![](https://static.wixstatic.com/media/417801_52f6a34943c34df6bbf7f9207b587547~mv2.png/v1/fill/w_980,h_735,al_c,q_90,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/417801_52f6a34943c34df6bbf7f9207b587547~mv2.png)
1番好きなナンバーは、Circle of life, One by one, He lives in you reprise (以下He lives)。
キャッツを見た時もオープニングナンバーで泣いたのですが、今回もちゃんとオープニングで泣きました。
ミュージカルを見てない期間が伸び、学校がしんどかったりもするのですが、やはり好きなミュージカルを見ると
ああそうだ、私はこれが好きだったんだ、と毎回思い出させられます。
He lives はリプライズとあるように、1回めは1幕、リプライズは2幕に出てくるのですが
恥ずかしながら、He livesで歌詞が
they live in you
から
he lives in you
に変わるのを私も彼も知らなかった。
私は1曲目で、theyが祖先達を指し2曲目でheがムファサを指すことに気づいたけど彼は気づかなかったらしく、
LGBTQなどの影響でpronousをheからtheyに変えたものだと思っていたらしい笑
演技に関していうと、ティモンとプンバァが1番しっかりしていたし安定していた。
2人はコメディシーンが多いからだと思う。
休憩時間に彼にどのキャラクターが良かったか聞くと、ティモンとプンバァと返ってきました。
彼らのイタリアンニューヨークアクセントがちゃんとしてたと言っていた。
ほんとかぁと思ったけど、2幕よく聞いたら確かにアクセントがある。
アクセント好きだし、聞き分け得意なはずなのに、、悔しい。
ただニューヨークアクセントなのかはよく分からない。
うっすらとザズーはイギリスアクセントっぽいなと思っているとどうやらそうっぽい。
そして、ぼんやりと、ザズーは完全に顔が青で塗りたくられているなぁとか
スカーは白人役者か?でも顔がペイントで塗りつぶされて分からんなぁとか、
思っていたのだが、よく気付いた私!(ほぼ意識的にそう考えてはいなかったが)
そう、気になって調べたところ、見つけた武田 寿恵(としえ)さんによるライオンキングの論文。
彼女のプロフィール → https://www.tkns-shobou.co.jp/author/view/539
その中に、書いてありました。(以下、ダッシュ' で囲まれている言葉はこの論文の引用です)
やはりスカー、ザズー、ティモンとプンバァは白人俳優によって演じられているそう。
そして、それにもきちんと意味があるそうで、黒人俳優達は肌に模様などのみをペイントしているのに対し、例えばスカーの場合模様のペイントの下に '茶褐色の「カラー」が、あくまでも彼の顔の「下地」とし て塗り込められている' とのこと。
カラーブラインドキャスティング(人種における縛りのないキャスティング)、とカラーコンシャスキャスティング('俳優 たちの「カラー」を戦略的に観客に意識させる')がどうやらライオンキングにて取り入れられているらしい。
はあ、そんな深く意図的な演出がなされていたのか。などと思いながら論文を読み進める。(私の勝手な解釈も入っているかもしれないので皆様自分でちゃんと論文を読んでください)
声だけではなく俳優の体が直に見えるミュージカル版で、アフリカ系の俳優達をキャスティングすることで半ば強制的に人種を意識させる効果を演出の'テイモアは,「肉と血によって俳優を見る」(see the actors in flesh and blood)'と称す。アフリカ系の俳優による舞台を構成することで'舞台上には「人種の力」(the power of the race)'がみなぎる。
私もその力を余すことなく感じ、自分のパワーまでみなぎった気がする。
とても突然だが、私のDream show (いつかは出てみたい夢の演目)の一つはライオンキング(ブロードウェイかウエストエンド)に出演することだ。ライオンキングに出られたら俳優の道が絶たれても後悔なく次へ切り替えられる。私はなぜかとにかくあのアフリカの音と言語の中にエネルギーをもらい、傲慢な事を言ってしまえば、シンパシーを感じるのだ。しかし論文にもあるが、いくら彼らの音楽や言語を学んでも所詮真似事でしかないとあり、血と肉には絶対に勝てないというどうしようもない事実、メッセージも舞台と論文から受け取った。
がしかし、アンサンブルにも白人、アジア人が数人いたし不可能ではない。
アフリカに留学してズルー語学んでこようかなあ!
話を戻して、、
このミュージカルの中で、スカーは異色な存在である。彼は唯一のイギリス英語を話すライオンであり、また韻の踏まれた独白などからとてもシェイクスピア的であるとのこと。つまり彼自身が、アフリカを植民地化したイギリス人を象徴しうる。で、その明らかにホワイトカラーな彼の肌をあえて一旦ペイントで塗りつぶし、カラーブラインドにする。だけどそれはカラーコンシャスで、、、?私はこんがらがってよく理解できていないが、つまり二重三重の意図がありそれはまた皮肉にもなっているそうな。
で、原作ではスカーはゲイっぽく描かれているらしく'白人中心主義かつ強制的異性愛'がテーマに潜んでいるらしい。がしかし、ミュージカル版は、そうならない可能性を孕んでいる(ちょこちょこ変更があるみたい)。
それは、'「原作映画の人種差別的および性差別的な問題に対する確かな演劇的反応」'とも言える。
私はこの'演劇的反応'という言葉を、いいなと思った。
これは単なる私の信念だが、演劇は社会問題を提起する場であり、また時に社会を映し出す鏡であるべきだと思う。
こんな風に演劇や一つの作品が、社会に対して反応するという、とてもマクロな視点だが同時に演劇を生物的(と私は感じる)に捉えたこの表現は良い!と思った。
舞台は生物とか生き物とかいう人いるし。
そろそろ私の集中力が切れるし、明日のこと何にもやらずほったらかし(ヤバイ)なのでおしまいとします。
あともう一つ。ウエストエンドあるある、声の音が小さくて聞こえない!!
歌聴きたいのに!言葉が何も入ってこない!
愛を感じてでは、クソデカいストリングスの音ばっかり聞こえました、泣
ブロードウェイ版も見て比べたいな!
皆様体に気をつけてお過ごしくださいませ。
また!
みう🍊
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